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2020年10月18日 人間の森文明が抱える課題と、これからの展望について 人間の森文明研究所20周年記念講演 50分

テーマ 人間の森文明が抱える課題と、これからの展望について

◆講師 小野晋也先生 講義時間 50分

◆開催日 2020年10月18日 13時~16時  

◆会場 人間の森文明研究所 愛媛県四国中央市新宮

◆概要

人間の森文明とは、人それぞれが持っている個性を活かし、それらを集めて、その個性がふれあい反応しあって新しいものを生み出していく。個性とは違いがあっていい。その違いが核融合のようなエネルギーを生み出して新しい時代を作っていく。

そのためには、知恵と、人情と、意志という三つが必要ではないか。地球上にいるすべての人々の「知恵」を寄せ合い、大和心を持った人を思いやる「人情」と、自らはこう生きるんだという強い「意志」を持ち、それらを融合させて新しい文明を作るエネルギーに変えていく。これが私が考えている人間の森文明だ。

 

人間の森文明を1本の大木に例えて考えてみる。

 

中国の古典に「大学」という有名な書物がある。これはリーダーとしての心得を書いたものだ。人間としての生き方、特にリーダーとしての基本が書かれている本だ。その冒頭に有名な言葉がある。

八条目 「格物、致知、誠意、正心、修身、斉家、治国、平天下」。この幹となるものが「正心」である。読んで字のごとく正しい心のこと。心で考えていることが正しくあれば、心が喜ぶ。人間として正しく生きること、より良く生きることが最高の生き方であると説いている。

 

正しく生きるといっても、人によってその正しさがかなり大きく違っている。例えば、お金を儲けることが正しいという価値観もある。お金儲けのためならどんな手段をとってもいいという人もいる。目的であるお金を儲けて、社員を守り、企業の成長のために使うという目的もある。まあ、すべて間違いではないし、一見正しい理論でもあこれは正しいが、社長の私利私欲になっては正しいとは言えないのではないか。本当の正しさとは何か。常に真実とは何なのか。ということを見極めないと正しい生き方はできない。

 

人間は、良心に逆らって生きることで覇気を失う。心の片隅にやましいことがあれば、覇気を失うことになってしまうのものだ。だから、強く生きるためには「誠」という生き方をしなければ強く生きられないというだと思う。

自分の生き方は「これでいいんだ」という誠の信念と意志があると心は安定する。 

 

「正気」(せいき)とは、真実を知って、本当の意味において人間として正しいことを正気という。自分の本質的な心が喜ぶこと、「誠意」という誠の生き方でなければ心は喜ばない。

 

「修身、斉家、治国、平天下」の意味は、先ずは自らを修めることに始まる。次に、身近な家族や会社を修める。自己を修め家庭や会社が修められるようになると、そこで初めて国が修められるようになるという順序が書かれている。最終的には世の中を平和にするための順序を説いた有名な言葉である。

 

これは、東洋的価値観であり、特に日本人はこの精神で生きてきた。西欧は真逆だ。相手を否定し、自分の意見のみが正しいと考えるので、必ず争いが生まれる。相手の立場に立って、今一度考えてみるという価値観がない。

ここで一番大切なのは、「修身」である。修身とは、自分の身を修めるという意味であるが、それだけではなく相手の立場に立って、考え方の違う相手を含めて、その両方を自分の心の中に修めていくというレベルが必要になる。どういう意味かというと、一言で表わすと「博愛」といえるかもしれない。考え方の違う相手(敵)を愛するという寛大な愛があると、考え方の違う相手にたいしても敵対ではなく、前向きに肯定的に受け入れるという大きな包容力なくして成り立たないということ。この修身という意味もここまで深く理解しなければ争いは消えない。

 

「影響」とは、外からの影響を受け、それによって響きあうということ。外部の影響によって振り回されているということ。そうではなくて、自分自身の心の中に響きを生み出して、周りからの影響と共に共振現象が起きている状態。響きあうというのは、自分も相手も共に光や音を出し合って、相互関係に立ってお互いが響きあうというものであるべきだ。これは万物一体の「仁」(愛)であり、その光が降り注ぎ、すべてのものに影響を与える。その光を浴びた一人ひとりが、それぞれの個性や特徴を生かしてともに成長する社会、これが人間の森文明が目指している理想の社会である。

 

◆人間の森文明研究所の果たす役割とは

「人間の本性に根差した文明の姿を導き出すこと」

人間の本性とは、人為的に作り上げられた社会のこと。具体的には次の三つ。

 

(1).形式主義

 人間の心よりも形式ばかりを重んじる社会。

 

(2).効率主義・合理主義

 小さな努力によって大きな成果を出すことが正しいと考える社会。

 

(3).小市民主義

 自分さえよければ良い。今さえよければ良いという社会。

 

本来の人間の喜びとは何か。それは自分自身が努力によって成長した実感を得た時ではないか。物事を長期的に観る。真の幸福とは、人の幸せとは、人のお役に立った時の喜びや、仲間との信頼関係ができているときの嬉しさや、愛する家族との心が触れ合いを実感したときの安心感や、あるいは成長を実感したときのやったぞ感など。人間は、お金やモノだけでは得られない、本当の幸福感を求めている。人間の本質的幸福感とはここにある。今の時代はそれに皆気づき始めている。新しい時代には、これらの真の幸福感を求める時代となるだう。

 

◆人間の森文明の今後の研究課題

(1).人間の存在意義、真の幸福とは何か。

(2).社会の課題を解決するビジョンとは何か。

(3).地球社会に新たな秩序を生み出す文明像とは何か。

 一神教ではなく、大きな多神教。

(4).日本的思想の展開。

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