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2020年2月12日 テーマ 「芳村思風の現在・過去・未来」 芳村思風先生 大阪思風塾主催 101分 

❐日時 2020年2月12日 水曜日 18時30分~20時30分

❐講師 芳村思風先生

❐場所 心斎橋サンテカフェ 

❐テーマ 「芳村思風の現在・過去・未来」「武漢ウイルスに対する各国の政府の対応は真逆」

 各国の政府の対応については全て逆の対応をしている。ウイルス感染の拡大を防ぐためには、先ずは一早く手を打つべきだった。隠蔽体質(責任回避)の中国は後手後手にまわってしまった。

さらに、諸外国の対応もみな同じで、中国本土から人の出入りを禁止するというもの。これは自国民を守るという大義名分であり、一見正しい判断のようにも見える。しかしこれは逆ではないか。感性論哲学的に考えてみると、この対処は真逆である。

 

感性論哲学の理念は、世界人類の平和と人間性の進化というものである。平和の根本は相手を敬い思いやりを持って接するということ。すなわち愛によって平和を保つという哲学である。相手を思いやるという愛から対処方法を考えると、悲鳴に喘いでいる中国を孤立させてはならないと思う。具体的な手段としては、世界各国が協力し合って多数の医師団を結成し、すぐさま武漢に派遣する。そして中国国民を命がけで助ける。世界中の国が一つになって中国国民を助けるという行動を起こすのである。もちろん派遣される医師たちには大きなリスクを伴うことになるが、それでも断行するべきだ。

命をかけてまで中国の一大事を救おうとする医師団を見て、恐怖におののく中国の民はどう感じるだろう。命をかけて助けに来てくれた医師団やその決断をした国に感謝するようになるのではないか。そこで始めて心の通った真の友好関係が生まれる。

 

中国は隣の国だ。だから利害関係もあるし沢山の問題を抱えている。近年は特に険悪なムードである。一色触発の恐れも何度かあった。しかし、命をかけて助けてくれた国に対しての意識は大きく変わるのではないだろうか。そこで、感謝の気持ちから真の友情が生まれることになる。敵対化していた国が、お互いに助け合う関係になり、双方の国にとってより良い結果をもたらすという関係を作るチャンスになる。このウイルス問題、この瀕死の危機こそが逆に考えれば最大のチャンスであると、政治家は判断すべきではないだろうか。

 

今、武漢の市民たちは見えない恐怖に怯え、感染した人々はすぐさま隔離されて孤立し、そのまま死んでいく運命を辿る。まさに地獄絵そのものだろう。今こそ、義を重んじる日本国民は立ち上がらなければならない。

 

思風先生のこの発言に、私は心震える想いで聞かせていただいた。常識的な普通の政治家は、みな自国民の安全しか考えない。もちろんそれも正しいと思う。しかし、同時に哲学的に深く解釈すると、このウイルス危機こそが、好転するチャンスになりえるということだ。

 

私の心の中には、先生のおっしゃることの深さと意味と価値について素晴らしいと思った反面、中国(一部の支配者、すなわち共産党のことで一般民衆ではない)に対する印象からすると、義理や人情がほんとうに伝わるのだろうかという心配もある。

 

具体的には、40年前の中国はまだまだ後進国で貧乏な国であった。しかし日本からたくさんの工場移転や技術指導によって短期間で世界第二位のGDPを誇る大国にまで上り詰めた。しかし日本に対する感謝どころか、隙あらばと、虎視眈々と利益と覇権を狙っている。習近平主席の来日が確定していても、今だに尖閣諸島への領海侵犯は続いている。本当に信じられない国だ。南沙諸島は近隣諸国の批判を無視して軍事基地を沢山築いている。さらには、チベットやウイグル自治区では中国人による弾圧が明白となっている。挙げれば切りがないが、大国となった中国はもはや孔子の「仁」や「徳」などというものは無くなってしまったかのように、お金と覇権のみを求めている。近隣諸国を始め世界中への支配の手を広げ続けている。

 

果たしてそんな道徳観念のない国に対して、思風先生のおっしゃる思いやりを前面に出した「仁」「徳」「愛」という対応で、解決できるのだろうか。はなはだ疑問ではある。そこで先生のこの想いを直接問うてみた。

 

思風先生いわく、仮に中国は感謝しなくても、命をかけて医師団を派遣し無償の施しをするべきだと仰った。やはり思風先生がお考えになっていることは、世界平和を達成するためには武力や利害関係だけでは平和は来ないと考えておられる。これから先500年1000年かかるかもしれないが、それでもこの愛の実践を通じて世界平和を築きたいとのお考えのようだ。

 

インドの聖者マハトマ・ガンディーの最期の言葉。「ヘー・ラーム」・・・おお、神よ!という言葉である。3発のピストルの弾丸を撃ち込まれたとき、ガンディーは自らの額に手を当て、撃った相手に対して「あなたを許す」という意味の動作をしたと伝えられる。最後の言葉がこれだった。ガンディーも、自分を殺しに来た相手をも許すという心の広さと、万人への愛の大きさを感じる人。

思風先生もきっとガンディーと同じ生き方なのだと感じた。しかし、浅はかな意見とは多少違いはあるにしても、思風先生の「愛」の深さは、ガンディーやマザーテレサにも勝るとも劣らないと感じた。最高の師に出会えて幸せだ。

これからも、思風先生から学び続けたい。

川人正臣

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